この記事では、データ復旧を自分でやるのをおすすめしない理由について解説していきます。
私はパソコン修理、データ復旧の仕事をしています。
そんな私が『データ復旧を自分でやるのをおすすめしない』と書くとポジショントークに聞こえるかもしれませんが、そうではありません。
大事なデータを復旧したいなら、自分でやる前に、ぜひ最後までお読みください。
✅ 記事の信頼性
<想定機種>
この記事は、下記機種を想定して書いています。
💻 Windows、Mac
💻 ノート、デスクトップ、一体型、自作パソコン
データ復旧を自分でやるのをおすすめしない3つの理由
まずは、データ復旧を自分でやるのをおすすめしない理由を3つに分けて見ていきましょう。
ざっくり言うと、コスト・労力・リスクの3つなのですが、それぞれ具体的に解説していきます。
理由①:自分でやっても費用が大きく変わらないから
データ復旧を自分でやってみようと思う理由はいくつかあるかと思います。
- 自分でやったほうが安く済みそう
- 自分でやってみたいという好奇心
- 他人にデータを見られたくない
ここでは、1つ目の金額について解説していきます。
『費用が大きく変わらない』と書きましたので、具体的にいくらかかるのかを見てみましょう。
10,000〜35,000円ほど
一般的な論理障害であれば、上記くらいです。
『一般的な論理障害』の金額のみを書いた理由は、理由③で解説します。
なお、障害の度合いによって金額は変わります。
詳しくは下記記事をご覧ください。
»データ復旧の料金・相場は?かかる費用をプロが解説【悪質な業者に注意】
- 工具類・・・3,000円
- ケーブル類・・・3,000円
- データ復旧ソフト・・・10,000円
合計:16,000円ほど
上記は、データ復旧ソフトをインストールするパソコンがある場合。
予備のパソコンなんてないという方のほうが多いはずですので、そのあたりも加味しなければなりません。
ここに書いた金額からもわかるように、症状によっては、データ復旧業者に依頼するほうが安いこともあります。
高くなったとしても10,000〜20,000円ほど。
10,000〜20,000円安くなるなら・・・と思うかもしれませんが、次の点も考えなければなりません。
理由②:パソコンの分解など、意外と労力がかかるから
ここまでデータ復旧を自分でするときとデータ復旧業者に依頼するときの金額を見てきました。
『自分でデータ復旧する場合』に書いたように、工具やケーブルなども自分で用意する必要があります。
用意するだけでなく、分解してストレージ(HDDやSSD)を取り出すなどの作業も必要です。
ちなみに、自分でデータ復旧をするときの具体的な手順は、下記の通り。
- 自分のパソコンに合った必要な道具を用意する
- パソコンからストレージ(HDDやSSD)を取り出す
- 違うパソコンにデータ復旧ソフトをインストールする
- 取り出したストレージ(HDDやSSD)をパソコンに繋いでデータ復旧
ストレージと一言で言っても、いろいろな種類があります。
そのため、用意する道具も自分のパソコンにあったものでなければ意味がありません。
どんな種類なのか調べ、自分で分解し、別のパソコンにデータ復旧ソフトをインストールして・・・と、意外と労力がかかるのです。
そこまで労力をかけても、下手したらデータ復旧業者に依頼したほうが安かったなんてこともあるわけです。
もちろん、見積もりを出してもらってからどうするか決めるのもアリです。
ただ、自分でデータ復旧するほうが安くなるとしても、労力に見合っていない場合がほとんどです。
ちなみに私の場合、上記の手順に加え、専用の機械を使って取り出したストレージ(HDDやSSD)のバックアップを取ります。
それは、次のリスクを下げるためです。
理由③:症状が悪化したり、自分ではデータが取れない場合があるから
具体的には、物理障害と呼ばれる症状のときです。
物理障害というのは、ストレージ(HDDやSSD)が物理的に壊れている状態です。
私が専用の機械を使ってストレージのバックアップを取る理由は、お客様のストレージへの通電を必要最低限にするためです。
通電を必要最低限にするのは、何度も動かして、症状が悪化するのを防ぐためですね。
それは、物理障害のときは、個人ではデータ復旧ができないことです。
なお、理由①で『一般的な論理障害』の金額のみを書いたのですが、これが理由となります。
物理障害など、個人でデータ復旧できないケースを比較しても意味がないからですね。
また、理由②で自分でデータ復旧をするときの手順を書きました。
データ復旧ソフトを使って復旧する方法ですが、これは論理障害に対応したやり方です。
論理障害というのは、データが壊れている状態です。
データが壊れているだけであれば、専用のソフトを使えば何とかなるというわけです。
でも、物理的に壊れている場合は違います。
壊れているストレージ(HDDやSSD)に手を加えなければなりません。
具体的にどういう作業が必要なのかは、下記記事をご覧ください。
»データ復旧の料金・相場は?かかる費用をプロが解説【悪質な業者に注意】
物理障害だと、個人ではデータ復旧できない上に、症状が悪化する可能性が高いというわけです。
物理障害か論理障害かの1/2に賭ける場合は良いかもしれません(ちなみに、併発している場合もあります)。
ただ、お金と労力がかかりますので、やはりおすすめはできませんね。
データ復旧に対する当ブログの考え
ここまで、自分でデータ復旧をするのをおすすめしない理由を見てきました。
コスト・労力・リスクの3つの理由ですが、逆に言えば、この3つがOKなら自分でやっても良いと考えています。
そこで、データ復旧に対する当ブログの考えを解説していきます。
ダメ元でやるなら、自分でデータ復旧するのもアリ
当ブログにはデータ復旧に関する記事がいくつかあります。
その記事には、下記のような記述があります。
- ダメ元で取れたらラッキーくらいの感覚で
- やるなら自己責任で
- 大事なデータは、信頼できるデータ復旧業者に
つまり、『お金をかけるほどじゃないけど、取れたらラッキー』というデータで、多少のお金や労力はかかってもOKという場合ですね。
それ以外はデータ復旧業者やパソコン修理店に依頼したほうが良いです。
大事なデータは、信頼できるデータ復旧業者に依頼
データ復旧を自分でやらない場合、データ復旧業者に依頼することになります。
どこでも良いならすぐに見つかりますが、信頼できるデータ復旧業者となると一気に探しづらくなります。
そこで、データ復旧業者を探すときは、下記記事を参考にしてください。
上記記事のポイントをまとめると、下記の3つ。
- データ復旧料金の相場を参考にする
- 自分が納得できるまで質問する
- 質問に丁寧に、具体的に答えてくれるお店にする
上記すべてを満たしていれば、ボッタクリのような悪徳業者を引く確率はかなり下がります。
データ復旧業者に依頼するということは、大事なデータを取り出したいからですよね。
であれば、不安なまま任せるのではなく、しっかりと納得した上でお願いできるお店を探しましょう。
まとめ:データ復旧を自分でやるのをおすすめしない3つの理由
この記事では、データ復旧を自分でやるのをおすすめしない理由を3つに分けて解説してきました。
理由は、下記の3つ。
- 必要なものを揃えるのにお金がかかり、下手すると、データ復旧業者に依頼するほうが安いこともある
- パソコンの分解など、手間がかかる
- 自分で復旧できるのは、論理障害のみ。物理障害だと、症状が悪化する可能性も高い
『大事なデータじゃないし、一度自分でやってみたい』という方以外は、データ復旧業者に依頼することをおすすめします。
そして、データ復旧業者に依頼するときは、信頼できるお店に依頼することが大切です。
良いお店の見分け方は、下記の通り。
- データ復旧料金の相場を参考にする
- 自分が納得できるまで質問する
- 質問に丁寧に、具体的に答えてくれるお店にする
上記すべてを満たしていれば、ボッタクリのような悪徳業者を引く確率はかなり下がります。
大事なデータを復旧したい場合は、後悔のないように『自分でやるかどうか』『どこに依頼するか』を決めてもらえたらと思います。