パソコンを修理に出そうとしたときに、『部品がないから、このパソコンはもう修理できない』と言われることがあります。
主にメーカーに言われることが多いですが、こういう場合は諦めるしかないのでしょうか。
実はメーカーに『部品がないから、パソコンを修理できない』と言われたパソコンでも修理することは可能です。
この記事では、なぜ『部品がないから、パソコンを修理できない』と言われるのか、そして、そういうときはどうすればパソコンを直せるのかについて解説します。
ぜひ参考にしてください。
✅ この記事で解決できる悩み
- 部品がないから修理できないと言われたけど、直したい
- メーカー以外の修理店にも買い替えを勧められた
✅ 記事の信頼性
<想定機種>
この記事は、下記機種を想定して書いています。
💻 Windows、Mac
💻 ノート、デスクトップ、一体型、自作パソコン
部品がないからパソコンを修理できないと言われる理由
まずは、『部品がないから、パソコンを修理できない』と言われる理由について見ていきましょう
ここでは、次の2つに分けて解説していきます。
部品の保有期間を過ぎているから
パソコンメーカーが『部品がないから、パソコンを修理できない』と言う理由ですね。
公式サイトや説明書には『補修用性能部品の保有期間』と書かれていることが多いです。
この部品の保有期間ですが、多くのパソコンメーカーでは、パソコンの製造終了から5〜7年となっています。
部品の保有期間が終わるということは、手元に部品がなく、直せないわけですね。
これが『部品がないから、パソコンを修理できない』と言われる理由です。
製造終了から5〜7年経つ頃には、そのパソコンを使っている人も少ないですし、修理依頼も年数が経つほど減っていきます。
そのため、メーカーとしても修理用の部品を確保しておくメリットが少なくなるわけです。
そして、どこかの時点で完全に部品を持たなくなるのですが、それがパソコンの製造終了から5〜7年ということです。
こういった説明は公式サイトや説明書にも書かれていますので、メーカーとしても修理する義務がないことになります。
本当に部品が手に入らないから
パソコンメーカーの部品の保有期間について見てきましたが、これはあくまでメーカーの話です。
では、一般的なパソコン修理店はどうでしょうか。
つまり、メーカーの修理期間が終わったあとでも、修理することが可能です。
ただ、中にはそれでも手に入らない部品というのがあります。
そういうときは部品ではなく、同じパソコンをもう一台購入する手もあります。
例えば、手元にあるパソコンは、Aという部品が壊れているとします。
そこで、Bという部品が壊れている同じパソコンを入手します。
この2つを組み合わせて、1つの動作品を作るわけです。
もちろん、部品も同じパソコンも手に入らないこともあるでしょう。
また、メーカーのみが所有していて、一般に出回らない部品もあります。
そのため、一般的なパソコン修理店であったとしても、本当に部品が手に入らないという理由で修理を断られるケースもあります。
メーカーで部品がないと修理を断られたパソコンは直せるか?
次は、メーカーで部品がないと修理を断られたパソコンを直したい場合について解説していきます。
修理店選びの話になってきますので、次の2つを順番に見ていきましょう。
直せるが、ほとんどのパソコンは修理をおすすめできない
ここまで見てきた通り、メーカーの部品の保有期間が終わっていたとしても、一般的なパソコン修理店であれば部品を入手し、修理することは可能です。
ただ、直せたとしても、ほとんどのパソコンは修理をおすすめできません。
理由は、下記。
つまり、今回直したいと思っている部品以外も経年劣化が進んでいることになります。
もちろん修理をして再度使うことはできます。
ただ、経年劣化や性能面を考えると、5〜7年使ったパソコンであれば、このタイミングで買い替えるのがおすすめです。
ということで、直せたとしても、ほとんどのパソコンは修理をおすすめできません。
『ほとんどのパソコン』と書きましたが、直しても良いようなケースもあると考えています。
例えば、下記のようなケースです。
- 自作を含めた、デスクトップパソコン・・・互換性のある部品が入手しやすく、その都度、壊れた箇所をグレードアップしながら使えるから
- かなりハイスペックなパソコン・・・5〜7年経った今でも、現役で使える性能があるから
- 誰かにもらったパソコンなど、パソコン自体に思い入れがある
- パソコンの買い換えだけでは済まないケース(このあと、具体例があります)
上記のような場合ですね。
こういった場合は、修理をして、大切に使っていくのも大事かと思います。
ただ、いくら修理してほしいと言っても、5〜7年経過しているパソコンは、修理ではなく買い替えをおすすめする修理店が多いです。
そのため、修理店選びも重要になってきます。
直したい場合は柔軟な対応をしてくれるパソコン修理店へ
メーカーの部品の保有期間が過ぎている場合、ほとんどのパソコンは修理をおすすめしないと書きました。
それでも直したい場合どうすれば良いでしょうか?
少し曖昧な表現になりますが、柔軟な対応をしてくれるパソコン修理店を探すことです。
この『柔軟な対応』というところについて、少し解説させていただきます。
例えば、私のところにメーカーの部品の保有期間が過ぎているパソコンが持ち込まれたとします。
まず最初は、年数などを踏まえ、買い替えをおすすめします。
ただ、それでもお客様が修理を望まれるのであれば、リスクなどをお伝えした上で、修理をします。
つまり、一定年数が経っているから、もう買い替えてくださいと一点張りをされるわけですね。
実際、私のところに来てくださったお客様から、次のようなことを言われたことがあります。
もう何店舗も回った。ここでダメだったら、諦めます。
もう20年も前のパソコンです。
なぜ買い替えではなく直したいのか聞いたところ、次のように言われました。
パソコンを買い替えるとなると、工場の機械も買い替える必要がある。
(機械を動かす)ソフトを提供しているところにも相談したが、やはり買い替えと言われた。
でも、そんな資金はない。
考えられるリスクなどをお伝えした上でお預かりし、結果的に、パソコンは直すことができました。
実は、こういう相談は結構あります。
この方のように、機械ごと買い替えだと、何千万円、何億円という単位ですよね。
ちなみにこのお客様は、高速を使って、2時間近くかけて来てくださいました。
それくらい直したかったわけです。
パソコン修理店としても、なるべくトラブルを避けたいという思いもあるでしょう。
年数が経っているほど、直したとしても、違う箇所が壊れる可能性も高くなります。
そのため、多くのパソコン修理店が買い替えを提案するのも当然と言えば当然です。
ただ、それでも修理して欲しい場合は、そういった思いを汲み取ってもらえるパソコン修理店を探してみてください。
自分で部品を見つけて、持ち込むことはできるか
パソコン修理店の中には、部品の持ち込みを認めているお店もあります。
私自身もお客様に部品を持ち込んでいただいて、修理した経験があります。
『部品がないから、パソコンを修理できない』と言われるのであれば、自分で部品を見つけて、その部品で修理してもらうのではどうでしょうか。
部品の持ち込みはできるけど、嫌がるお店もある
まず、部品の持ち込みに関して、一般的な見解を書きます。
理由は、持ち込まれる部品がどういったものかわからないからです。
例えば、持ち込まれた部品に交換した結果、直らなかったり、再発したりしたとします。
お客様としては『きっとうまく直っていなかったんだ』と、修理店側の責任だと考えますよね。
一方、修理店としては、お客様が持ち込まれた部品なので、そこまで責任は持てないと考えるでしょう。
もちろん、部品を持ち込む際は、こういったトラブルがないように事前に説明はされるはずです。
ただ、そもそもトラブルを避けるという意味で、部品の持ち込みを一切受け付けていない修理店も多いです。
また、部品の持ち込みを認めていたとしても、例えば、新品で未開封であるとか、その商品の状態がある程度保障されたものという風に条件付けされているようなお店もあります。
逆に、中古でも何でもOKという修理店もありますので、正直、お店に問い合わせてみるまでわかりません。
先ほど、『どうしても修理したい場合は、柔軟な修理店を探しましょう』と書きましたが、部品の持ち込みについても、一致するようなところがありますね。
自分で部品を探すときは、どこで探すか
最後に、自分で部品を探すときに、どこで探したほうが良いのかついて解説していきます。
海外サイトでも良ければ、eBayやAliExpressなども候補に入りますね。
ただ、国内サイトで簡単に利用でき、年数が経った部品の流通量も多いヤフオクのほうが使いやすいでしょう。
ヤフオクに限った話ではありませんが、個人が出品してる部品もあります。
そのため、部品の質が担保されていないというリスクはありますね。
修理店に『部品がない』と言われているのに、個人で見つけられるの?と思われるかもしれませんが、個人が出品してる部品というのがポイントです。
実は、個人が出品している部品は買わないという修理店が多いです。
部品の仕入先もありますし、あえてリスクを取る必要もないわけですね。
だから、修理店に部品がないと言われても、個人で部品を見つけることができるのです。
また部品ではなく、同じパソコンをもう一台購入する手もあります。
動作しているパソコンを買うのであれば、新しく別のパソコンを買えば良いので、そういう意味ではありません。
例えば、手元にあるパソコンは、Aという部品が壊れているとします。
ヤフオクでBという部品が壊れているパソコンを買います。
この2つを組み合わせて、1つの動作品を作るわけです。
部品単体が手に入らなくても、同じパソコンなら手に入ることもあります。
しかも、壊れているパソコンなので、ジャンク品として出回っています。
ジャンク品の良いところは、安く手に入れられるところです。
さて、ここまで、自分で部品を探す方法を見てきました。
なぜなら、そういった修理店であれば、お店側で部品を探してくれるからです。
なので、自分で部品を探すのは、最終手段という感じですね。
まとめ:部品がないから、パソコンを修理できないと言われたら
この記事では、なぜ『部品がないから、パソコンを修理できない』と言われるのか、そして、そういうときはどうすればパソコンを直せるのかについて解説しました。
メーカーに『部品がないから、パソコンを修理できない』と言われても、パソコン修理店であれば直せることがあります。
ただ、多くの修理店では買い替えを勧められると思います。
それでも直したい場合は、マニュアル的な対応ではなく、柔軟な対応をしてくれるパソコン修理店を探すのがおすすめです。
自分で部品を探すという手もありますが、それよりは『ここでダメなら諦める』と思える修理店を探し、全面的に任せるのが良いですね。