パソコンを修理に出すときは、ほとんどのお店でログインパスワードを聞かれるかと思います。
そこで、この記事では、パソコンを修理に出すときに、パスワードを教えるべきかについて解説していきます。
ただし、どうしても教えたくない場合は、教えなくても大丈夫です。
私自身、お客様に『パスワードはちょっと・・・』と言われたこともあります。
お店によって対応はバラバラかと思いますが、この記事では、私自身のケースを解説していきます。
✅ この記事で解決できる悩み
- パソコンを修理に出すときには、パスワードを教えたほうが良い?
- パスワードを書いてもらわないと、修理できないと言われた
✅ 記事の信頼性
パソコン修理者がパスワードを知りたい理由
冒頭にも書きましたが、結論としては『教えたほうが良い』です。
理由は、次の通りです。
そして、同じ環境でテストしないと、ソフトウェアに起因した不具合が発見できないから。
パスワードを教えてもらいたい一番の理由は、ログインしないとわからないことがあるからですね。
故障の内容によっては、ログインしないと直せないこともあります。
ただし、一見ログインの必要がないような故障でも、ログインし、同じ環境でテストしたいこともあります。
例えば、液晶パネルが割れているとします。
お客様の立場からすると、次のように感じるかもしれませんね。
ただ、修理する立場からすると、液晶パネル以外も点検しておいたほうが良いと考えています。
可能性は低いですが、次のケースを考えてみましょう。
ここでは、パスワードを教えてもらっていないとします。
もちろん、修理店としてはそのようなことがないように、納品時に動作を確認してもらいます。
ただ、中には液晶が映ったことだけを確認する方もいらっしゃいますし、パソコン修理店がやっているような点検をその場ですべて確認してもらうというのも現実的ではありませんよね。
さて、この状況をお客様と修理者の立場で見てみましょう。
✔ お客様
きっと預けている間に、何かあったに違いない。
✔ 修理者
こちらで用意した環境では、問題がなかった。
このように、お客様と修理者の間でズレが生じてしまいます。
- ネットに繋がるのか
- キーボードはすべてのキーが正しく動作しているのか
- 不具合が出ているドライバはないか
など、一見、液晶パネルに関係ないところもチェックしておきたいわけです。
また、トラブルを避ける以外の理由もあります。
ログインして検査した結果、液晶パネル以外にも不具合が見つかったとします。
その不具合も含め、お客様にお伝えするのですが、『そこまで修理するなら買い替える』という場合もあります。
このように、ログインし、同じ環境でテストしないとわからないことがあります。
そのため、多くのパソコン修理店では、パソコンを預かるときにパスワードを教えてもらうわけです。
それでも、パスワードを教えたくない場合は?
『教えたほうが良いのはわかるけど、何か嫌だな…』という場合は、どうすれば良いでしょうか。
ここでは、次の3つに分けて見ていきましょう。
無理にパスワードを教える必要はない
私自身、ごくまれに、『パスワードを教えるのはちょっと・・・』と言われることがあります。
『パソコン修理者がパスワードを知りたい理由』をお伝えすると、だいたい教えてもらえるのですが、中には『それでも、ちょっと・・・』という方もいます。
私の場合は、下記のような点を伝え、了承をもらった上でお預かりしています。
- ログインしないと、わからないこともあること
- あとから、ログインしないとわからない不具合がわかっても、返金などには応じられないこと
『パスワードを教えてもらえないと預かれない』というお店もあるようですが、そのお店とは縁がなかったと思い、違うお店を探したほうが良いですね。
他のサービスと紐づいている場合はどうするか
例えば、Windowsの場合、ローカルアカウントではなく、Microsoftアカウントを使用している方もいますよね。
Microsoftアカウントにしていると、パソコンの修理が終わったとしても、パソコン修理店にそのアカウント情報が知られたままということです。
修理店側がアカウント情報の悪用をすれば経営していけなくなりますので、お店側にもメリットはありませんが、100%ないとも言い切れません。
Microsoftアカウントの場合、パソコンが壊れて使えなくても、スマホなどからもパスワードが変更できますね。
パソコンを修理に出す前に違うパスワードに変更し、パソコンが戻ってきたら、またパスワードを変更しましょう。
ストレージを取り外して、修理に出す
『パスワードもそうだけど、そもそもデータを預けるのが心配』という場合もあるかも知れません。
そういうときは、次の対応がおすすめです。
つまり、ストレージを取り外した状態で、修理に出せばOKです。
自分で取り出せない場合は、修理店にお願いし、ストレージを取り出した状態で預けるようにしましょう。
私も一度だけ、上記のような対応をしたことがあります。
それは、次のような状況でした。
お客様としては、預けずに、目の前で直してほしいということでした。
ただ、故障の内容的にも難しかったので、目の前でストレージだけを取り出し、持ち帰ってもらうことにしたという流れです。
このときの注意点としては、次のようなことがあります。
- ログインしないと、同じ環境でテストできない
- ストレージを取り出す分の分解作業費が別途かかる
- 一部のモデルは対応不可
また、お店によっては、こういった対応自体を断られることもあります。
パスワードがわからなければ、中のデータは見れないのか?
『パスワードを教えたくない』と考える理由として、次のようなものがあげられます。
- 中のデータを見られたくない
- 個人情報が心配
では、パスワードがわからなければ、中のデータなどを見れないのかといえば、そうではありません。
一部の暗号化処理などを除けば、パスワードがなくても中のデータを見ることはできます。
しかも、そんなに高度な技術が必要というわけでもありません。
例えば、パソコン修理をしていると、次のような依頼を受けることがあります。
- パソコンが起動しなくなった。でも、データを取り出したい。
- パスワードを忘れてしまった。初期化ではなく、パスワードの再設定したい。
どちらも『こういう依頼もありそうだな』と思える内容ではないでしょうか。
そして、多くのパソコン修理店で対応可能な内容のはずです。
ここからもわかるように、パスワードと中のデータなどは切り離して考えたほうが良いですね。
もちろん、修理店側とすれば、中のデータなどを見るメリットはありませんし、個人情報を悪用すれば経営していけなくなります。
つまり、たとえ見れたとしても、見る理由がないわけですね。
それでも心配であれば、見ている前で直してもらうか、『ストレージを取り外して、修理に出す』しかないですね。
まとめ:パソコン修理に出す際にパスワードを教えるべきか?
この記事では、パソコンを修理に出すときに、パスワードを教えるべきかについて解説しました。
ただし、どうしても心配であれば、ストレージを取り出した状態でパソコンを預けたり、一時的にパスワードを変更したりしましょう。
パソコンを修理に出すということ自体、めったに起きるわけではありませんよね。
だからこそ難しいのかも知れませんが、そんなことをしなくても信頼して任せられるお店に依頼できると良いですね。
パソコンを修理に出すときの関連記事がありますので、そちらも参考にしてください。