この記事では、Windowsパソコンを修理に出したときの値段・相場について解説します。
私は年間300台以上を修理していますので、その実例や他社情報も踏まえ、修理内容ごとに詳しく書いていきます。
お客様からすれば、パソコン修理というのは数年に一度しかなく、適正価格がわかりづらいと思います。
これから修理する方、すでに修理依頼し、見積もりが高いと感じている方の参考になると嬉しいです。
✅ この記事で解決できる悩み
- パソコン修理の値段・相場を知りたい
- パソコン修理に出したが、見積もりが高かった
- ぼったくられていないか・適正価格なのか心配
ただ、お店によって無料〜数千円と大きく違いますので、この記事では診断料・検査費を除いた金額を記載いたします。
✅ 記事の信頼性
<想定機種>
この記事は、下記機種を想定して書いています。
💻 Windows
💻 ノート、デスクトップ、一体型、自作パソコン
同じ故障・症状でもパソコン修理費用に幅がある3つの理由
まずは、パソコン修理を出すときに大前提となることを解説していきます。
それは『パソコン修理費用には幅がある』ということです。
私自身、お客様から以下のようなことを言われたことがあります。
- こういう症状だから、ココが壊れてるはずなんだけど、いくらかかる?
- (電話で)こういう症状なんだけど、直すのにいくらかかる?
どちらも知りたいのは『修理費用がいくらかかるか』なのですが、修理する側からすると、はっきりとは答えづらい部分があります。
なぜなら、下記のような3つの理由があるからです。
そして、この3つの理由が『パソコン修理費用には幅がある』理由になります。
上から順番に1つずつ見ていきましょう。
理由①:機種によって部品代が変わるから
これはイメージしやすいかと思います。
基本的に本体価格が高いパソコンや薄型モデルなどは、部品代が高くなる傾向にあります。
例えば、PanasonicのLet’s note(レッツノート)というパソコンがありますが、この機種は他のパソコンに比べ部品代が高いです。
部品によっては倍くらいするものもあります。
また、部品は中国など海外で作られているものも多く、その時々で値段も変わります。
このような理由により、多少幅をもたせてお伝えすることが多いです。
これはパソコンだけでなく、車などでも同じ傾向がありますね。
200万円の軽自動車と1,000万円のベンツ。
同じ箇所が壊れていたとしても、ベンツのほうが修理代が高いはずです。
理由②:機種によって分解作業費が変わるから
例えば、HDDを取り出す場合を考えてみます。
パソコンの中には、ネジを数本外すだけでHDDが取り出せるものもあります。
一方、キーボードの下にHDDがあり、交換のためにキーボードを外す必要があるモデルもあります。
このように、同じHDDを取り出すという作業でも、分解にかかる時間や労力が大きく違うわけです。
理由③:症状が同じでも、故障の度合い・箇所が違うから
例えば、電源は入るけど、Windowsマークから進まないという症状を考えてみます。
この場合、故障の原因として可能性が高いのは、下記のどちらかです。
- OS(Windows)不良
- HDD・SSDなどのストレージ不良
私の場合、両方の予想される修理費用をお伝えしますが、どちらなのかは実際に調べてみないとわかりません。
そのため、お伝えする金額にはある程度の幅をもたせています。
もう1つ例を見ていましょう。
電源ボタンを押しても電源が入らないという場合は、下記のような理由が考えられます。
- 電源スイッチ不良
- 基板(マザーボード)不良
- 電源ユニット不良
- 帯電
メーカーホームページに書かれている対処法で直るようなものから、基板上の1mmくらいのパーツを交換するような複雑な修理まであります。
その分、修理費用に幅があり、お客様にはその幅でお伝えする形になります。
では、これ以降は、考えられる主な原因とともに修理費用の目安を記載していきます。
ご自身の症状と照らし合わせて、修理費用の参考にしてください。
液晶ディスプレイ破損の修理費用・相場
相場は30,000円くらいになります。
液晶ディスプレイが割れているなど、明らかに液晶ディスプレイ交換が必要な場合、多くのモデルでは30,000円くらいの修理費用がかかります。
内訳は、下記の通りです。
- 分解作業費・・・5,000〜15,000円
- 液晶ディスプレイ代・・・10,000〜25,000円
『理由①:機種によって部品代が変わるから』でも登場したLet’s note(レッツノート)などは上記より液晶ディスプレイ代が高く、総額で60,000円ほどかかることもあります。
さらに、一体型パソコンもノートパソコンより液晶ディスプレイ代が高いため、上記より高くなります。
上記は、液晶ディスプレイ交換修理の金額ですが、画面が映らない=液晶ディスプレイ交換が必要とは限りません。
ケーブル破損など、もっと安く済む場合もあります。
また、液晶ディスプレイ交換を専門に行っているお店もあり、そういったところは30,000円より安いことが多いです。
キーボード不良の修理費用・相場
相場は20,000円くらいになります。
キーボード交換が必要な場合、多くのモデルでは20,000円くらいの修理費用がかかります。
内訳は、下記の通りです。
- 分解作業費・・・5,000〜15,000円
- キーボード代・・・5,000〜20,000円
キーボードという部品自体がそこまで高くないため、20,000円くらいで直るモデルがほとんどです。
さらに、分解が簡単なモデルは、15,000円以下で直るものもあったりします。
逆に、何十個というネジで止まっているモデルやネジを使わないリベットタイプというものもあったりします。
その場合、分解作業費が高くなりますので、結果として修理費用が高くなります。
また、キーボードを押しても文字が打てないからと言って、キーボード交換が必要とは限りません。
基板不良やソフトウェアの不具合も考えられますので、その場合は修理費用が変わります。
OS不良・HDD(SSD)不良の修理費用・相場
パソコンの故障の中でもよくあるのが、OS不良・HDD(SSD)不良です。
『パソコンは起動するのに、そこから進まない』という症状の場合、その多くがOS不良・HDD(SSD)不良のどちらかです。
ここでは、OS不良とHDD(SSD)不良の2つに分けて見ていきましょう。
OS不良の修理費用・相場
相場は15,000円くらいになります。
OS(Operating System)不良というのは、Windowsのデータが壊れ、不具合が出ている状況です。
Windows自体が起動しないという症状から、特定の機能が使えないという症状まで様々です。
OSを再インストールする修理が多く、アップデートや初期設定を含め、15,000円くらいの修理費用がかかります。
なお、OSの再インストールだけであれば4,000〜6,000円くらいのお店が多いです。
ただし、OSを再インストールということは元のデータがなくなることを意味します。
そのため、データが必要な場合は、データのバックアップの費用が加算されます。
HDD(SSD)不良の修理費用・相場
相場は25,000円くらいになります。
HDDやSSDはストレージと呼ばれるもので、OS(Windows)などのデータが入っている部品です。
症状としてはOS不良と似ているのですが、データが破損しているのか、データが入っている部品が破損しているのかの違いがあります。
破損している部品の交換もあるため、OS不良より修理費用がかかります。
どれくらいの容量のHDD・SSDに交換するのかで修理費用は大きく変わり、相場としては20,000円+部品代くらいのお店が多いです。
内訳は、下記の通りです。
- 分解作業費・・・2,000〜10,000円
- HDD・SSD代・・・5,000〜20,000円
- OSセットアップ・・・15,000円
OSセットアップの15,000円はOS不良のときと同じ金額です。
OS不良のときと同じく、OSの再インストールだけであれば4,000〜6,000円くらいのお店が多いです。
また、OS不良でも書いたように、データが必要な場合は、データのバックアップの費用が加算されます。
バッテリー交換・電源ユニット不良の修理費用・相場
相場は20,000円くらいになります。
ノートパソコンの場合はバッテリー交換、デスクトップパソコンの場合は電源ユニット交換となります。
バッテリー交換・電源ユニット交換が必要な場合、多くのモデルでは20,000円くらいの修理費用がかかります。
内訳は、下記の通りです。
- 分解作業費・・・5,000〜15,000円
- 部品代・・・5,000〜20,000円
Windowsパソコンであれば、バッテリーや電源ユニットの交換はそこまで大変ではありません。
そのため、分解作業費は10,000円以下のところが多いです。
部品代も20,000円以下のものがほとんどですが、一部モデルや自作パソコンにおいては高額になる場合があります。
『理由③:症状が同じでも、故障の度合い・箇所が違うから』でも書きましたが、電源が入らないと言ってもいくつかの原因が考えられますね。
どこに原因があるかは実物をみるまでわからず、もっと高額になる場合も、ほとんど費用がかからない場合もあります。
グラフィックボード不良の修理費用・相場
相場は20,000円くらいになります。
ノートパソコンでもグラフィックボード搭載モデルがありますが、これはゲーミングノートパソコンのような一部のモデルに限られます。
多くの場合、デスクトップパソコンになるはずです。
グラフィックボード交換が必要な場合、多くのモデルでは20,000円くらいの修理費用がかかります。
内訳は、下記の通りです。
- 分解作業費・・・5,000〜15,000円
- 部品代・・・5,000〜30,000円
分解作業費は10,000円以下のお店が多いですが、部品代はスペックによってかなり違います。
安いものであれば10,000円以下で買えますが、高いものは30万円以上します。
どのグラフィックボードに交換するかで修理費用が大きく変わります。
また、部品交換ではなく、今あるグラフィックボードの修理も可能ですが、その場合は上記金額より高くなるお店が多いです(対応していないお店もあり)。
マザーボード・基板不良の修理費用・相場
相場は40,000円くらいになります。
パソコン修理の中で最も複雑な修理の1つ。
その分、修理費用がかかるのと、お店によって対応できるレベルが違います(そもそも対応していないお店もある)。
マザーボード・基板不良の修理費用の相場は、40,000円くらいです。
内訳は、下記の通りです。
- 分解作業費・・・8,000〜15,000円
- マザーボード修理・・・5,000〜45,000円
- 部品代・・・0〜5,000円
上記は壊れたマザーボード・基板を直す場合の値段です。
デスクトップパソコンはマザーボードを交換するほうが確実で早いですが、ノートパソコンだとそうもいきません。
部品代を0円〜としました。
下記のようなチップコンデンサーの中には100円以下で買えるものもありますので、お店によっては作業費の中に含めるところもあります。
ちなみに、マザーボードを交換する場合は、8,000〜15,000円+部品代くらいのお店が多いです。
まとめ:【保存版】パソコン修理の値段・相場は?【Windows編】
この記事では、Windowsパソコンを修理に出したときの値段・相場について解説しました。
機種によって費用が変わったり、電源が入らないという症状であっても原因は様々なため、ある程度幅をもたせて値段・相場を書きました。
パソコンを修理する際の参考になれば幸いです。
ただ、お店によって無料〜数千円と大きく違いますので、この記事では診断料・検査費を除いた金額を記載いたしました。
他にもパソコン修理に関する記事があります。
こちらも参考にしてください。